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GIDアーカイヴ。戸籍の性別変更審判及びその手続きのこと。

◇ジャンヌ・ダルクにはなれなかった。◇

私の性別適合手術が終ると、それなりに目論見とか思惑がある方がいたようです。それが良いか、悪いかは別として。

社会的にはまだ戸籍の性別変更は話題にはなるものの、まだあの法律制定の前どころか、具体的な話さえ出ていない頃でしたから、私自身、自分の性別適合手術が終ったからと言って、すぐに性別変更の申し立てをしようとはあまり思いませんでした。実際、申し立てをしたところで許可されるとも思えませんでしたし。

そう思っているうちに、私は一度修正手術を受けたり、引越しをしたりして、今度は申し立てをしようと思っても、するどころの騒ぎではなくなってしまったのです。

それでも一応、私なりに考えて、精神科の方と、肉体的に手術を受けたことに対する診断書は書いて頂いていました。とは言え、先生方もその書式、内容などに迷ったらしく、どちらも、「性同一性障害」、もしくは「性同一性障害により当院でSRS(性別適合手術)を行った」と書いてあるだけの、どう素人目に見ても、裁判所に出しても相手にされないだろうなって内容でした。ですから、わざわざ診断書を書いてくれた先生方には申しわけないのですが、正直、がっくりした私は尚更、とりあえず申し立てをしてみる、なんて気持ちにはなれませんでした。

そして、あるお友達経由で回ってきた、あの「全国同時申し立て」のお誘いにも乗れませんでした。それはやはり、私はマスコミに出たりするのがどうしても嫌だったからです。手術の時と同様に、そういう記者会見とかには、私なんかより見た目の良いMTFさんとかが出るべきだと、私は自分自身を納得させようとしていました。もちろん、国内の、それも初期の公式医療で手術をした私も、本当は参加した方が良かったのかも知れませんが、当時は金銭的にそんなことを考えられる状況でもなかったのです。

そして、一定の成果はあったのかも知れませんが、私もTV等で見た限りでは、同時申し立ての結果はあまりかんばしくなかったらしく、社会はやはり法律制定の方向に向かいました。そうなってくると、やはりもういっそ法律が制定されてから申し立てをしようと思うもので、私は大変な状況ながらそれを待ちました。

そしてご存知の通り、新法の制定、施行となったわけですが、その時には問題が出てきたのです。そう、裁判所に提出する診断書の書式がきちんと決まってしまったのです。私の持つ診断書はただの紙切れ(?)になってしまいました。

ただでさえ、書いて頂いてかなり経つ上に、住所すら書いて頂いた後に私は二度の引越しをしていたのですから、それを証明するには、やはり弁護士さんなり、司法書士さんを立てなくてはいけなかったでしょう。

もちろん私も、裁判所に提出するために、新しい診断書を書いて頂こうと思いました。思いましたが、その時には病院に行くお金がまるでなかったのです。

その後、幸運にもOLさんとして働いている頃もありましたが、その頃はその頃で、病院に行くお休みを頂けませんでした。「チームワークを大切にしろ」などと言われ、私は月にたった一度の通院のためのお休みすら頂けなかったのです。

一方では某GID学会で、私の手術に携わった先生方の間では、「彼女は申し立てをしないのかなあ?」と雑談の話題になっていたそうです。それを後で聞いた私は、やはり少し申しわけない気持ちで悲しくなりました。

それからもさらにしばらく時間が経った後に、私はようやく戸籍の性別変更の申し立てをすることができました。もちろん、書類さえ揃えば、笑ってしまうくらい簡単に許可されたわけですが。

しかし、性別適合手術の後で、とりあえず結果に関わらず、私も性別変更の申し立てをしてみるべきだったと、今ではそう思うのでした。多少ならずも、何らかの影響があったのかも知れません。

※本当のタイトルは「ジャンヌ・ダルクにはなりたくもなかった。」でした(笑)。

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