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GIDアーカイヴ。高校生の頃。

◇理不尽な服装検査。◇

それは高校生になって一ヶ月くらい経った頃の、初めての服装検査での出来事でした。公正を期すために、それぞれのクラスの担任が他のクラスを担当するということで、私のクラスの担当になったのは美術のI先生でした。

もちろん、「公正」と言ってもその教師によって基準はまちまちですし、その高校に入学して間もない私にとっては、そのI先生自体もどんな教師なのかすら、まだわからない状態でした。

その日の授業が終わり、しばらくしてその30代後半くらいのI先生が教室に来て、いよいよ高校で初めての服装検査が始まりました。

最初に女子が教室の入り口に出席番号順に並び、検査を受けた者から帰宅するという方法で、当然私は男子の部類に入れられているし、出席番号順でも一番最後だったので、ひたすら気長に待ち続けていました。

やがて女子が終わり、やっと男子の順番になり、私は不公平だなと思いつつも列の最後尾に並び、少しずつその列は短くなって行きました。

そして、誰も検査にひっかかることもないまま、ついに私の順番になった時のことです。I先生は背の低い私の後ろを覗き込むんで、空になった教室を眺めて言いました。

「お前が最後か?なんだ面白くないなあ。よし、お前残れ。」

「はい?」

I先生は私の姿をまるで見ることもなく言ったのです。私にはその理不尽さがまったく理解できませんでした。

「え?先生、冗談ですよね?」

私は思わずそう聞き返してしまいました。訊かずにはいられなかったのです。

するとI先生は、楽しそうににたにたと笑いながら言いました。

「そうか〜、お前は教師に歯向かうんだな?やはり居残り決定〜。逃げずに職員室に行けよ〜。」

最後はまるで歌うような感じで言い、I先生は名簿の私の欄に何か印をつけました。それから「これで○組の服装検査は終わり」とつぶやき、さっさと職員室に戻って行ってしまいました。

私は理不尽さと疑問で心を一杯にして、いらいらしながら職員室に向いました。何しろ、私が服装検査にひっかかったことなんて、中学時代を含めても、後にも先にもこの時のたった一度だけなのです。

職員室に行って見ると、すでに遅い時間だったこともあり、一人の教師もいませんでした。仕方なく私が学年主任のW先生の机の前で立っていると、やがてそのW先生がやってきました。

「君は、、、一体どうしたの?」

50代のW先生は、その後も私のことを気にかけてくれた先生だったのですが、その時も優しく声をかけてくれました。

「いえ、I先生が『残れ』と言ったので。。。」

私はやはりそれ以上何も言えませんでした。

「I先生?君のどこがダメだと言ったの?」

「それがさっぱりわからないんですけど。。。」

「ちょっと待ってなさい」

そう言ってW先生は職員室を出て行きました。どうやらI先生のいる美術準備室に確認をしに行ったようでした。

しかし、数分後、W先生は考え込みながら戻って来ました。そう、I先生はもう帰宅していたのです。

一応、教師の一人がダメだと言ったことでもあり、W先生は少し困っているようでしたが、とりあえず私に床に正座して反省文を書くように言いました。ちなみにその日の服装検査でダメ出しをされたのは、学年で私一人だったそうです。

私は言われる通り床に正座して、教師のイスを机代わりに渡された紙に向かいましたが、はっきりいって困りました。一体、何を書けば良いのでしょう?もちろん、私はこの時までそんな反省文などという物は書かされたこともなかったし、読んだこともなかったので、まるでピンと来ないのです。

すでに外は暗くなっていて、他の教師も帰宅した後の職員室で、私は何とか文章をひねり出しました。それはひどく短いものでしたが、W先生は納得してくれました。

「じゃあ、気をつけて帰りなさい。でも、明日の八時までに美術準備室のI先生の所に行って、確認を受けなさい。」

「、、、わかりました。」

私はどこが悪いのかも言われてないのに、何を直して行けば良いんだろうと思いましたが、とりあえずその日はそれで帰宅しました。

家に帰った私は、母親にその日のことを珍しく話しました。私はあまりに理不尽だと訴えましたが、彼女はまるで共感することもありませんでした。

次の日の朝、私は言われた通りに早めに登校して、美術準備室に行きました。

部屋に入って見ると、美術部の生徒らしい何人かがI先生を囲んでいて、何か話しているようでした。

「おっ、こいつやこいつ、俺に歯向かってきたのは。」

I先生は私の姿を見るなり、またにたにたと気持ち悪い笑顔で、その場にいた生徒たちに言いました。

「悪い奴やのお、お前は。で、反省したのか?」

私は理不尽さに爆発しそうでしたが、「はい」とだけ答えました。

その後、私はI先生の授業を受けることになりましたが、その時にはもちろんI先生は私のことなど覚えていませんでした。

ちなみにその授業の様子はとても気持ちの悪いものでした。I先生は女子に話し掛ける時だけ、わざわざ後ろ側からその子の肩にアゴを乗せて、耳もとにささやきかけるように話していたのです。I先生はそんな気持ちの悪い教師でした。

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GIDアーカイヴ。高校生の頃。

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