GIDアーカイヴ。小学生の頃。

◇数日間の自然トランス。◇

私が精神的に一番辛かった小学校5、6年生の頃、誰にも言えないままで自分の性別に関しても悩んでいた時期に、今思えば、私にとっては夢のようなことがありました。

ある朝、気がつくと胸とお尻が少し膨らんでいたのです。

少し、とは言うものの、お尻に関しては昨日まで普通に履けていたズボンが履けないくらい、胸に関しては体育の授業で走ると痛むくらいで、私自身がその身体の急激な変化に驚いて動揺してしまう程でした。

人より精神的な成長が遅かった私は、自分が「大人の男性としての身体に成長していく」ことはもちろんのこと、今のその「大人の女性としての身体に近づいている」状態のことなど、まるで想像もできないことだったのです。

もちろん、それは思春期の子供にたまに起きる、ただのホルモン異常だったのですが、私自身も周りのクラスメイトも、私の家族さえも、医学的な知識のない(しかも田舎の)人間にとっては、少し「気味の悪い」ことでした。

学校では「お前のケツ、女みてえ」とクラスメイトの男子に触られたり、家では姉や父親の、まるで化け物を見るような目。母親も「どうしちゃったの?」と聞くばかり。

でも、私自身にもそれがなぜだかわかるわけもなかったのです。あくまで自然に起こったことなのですから。

そして、ある時、その急激な膨らみで胸が痛むことを母親にもらすと、一応、気を使いながら私の胸を触って確かめた彼女は、「やっぱり病院で診てもらおうか?」と言ったのでした。

とは言え、学校を休んでまで病院に行くこともないだろうと話しているうちに、数日後にはもう、私の胸やお尻は以前のように男の子らしい大きさに戻ってしまったのです。

私は気持ちが落ち着いたと同時に、やはり残念な気がしました。なぜなら、家族のいない間に内緒で身につけていた姉たちのスカートは、その数日間に限って、他のクラスメイトの女の子たちと同じように、本当にきれいに広がって見えたのですから。

母親の鏡台に映る、その時の顔から下の私の身体は、普通に女の子の姿でした。

あれから数年後、やっと家族にカミングアウトしてホルモン投与を始め、それからさらに性別適合手術まで受けた私ですが、お尻には女性ホルモンの効果があまり出なかったようで、「あのままお尻が膨らんだままになってくれれば良かったのに〜」と、少し悔しく思ってしまうのでした。

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GIDアーカイヴ。小学生の頃。

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